
ピラティススタジオTRY 代表の荒井です!
ピラティスでは原則というものが6つあり、その中の一つが「breath(呼吸)」とされています。私たちは日常的に無意識で呼吸をしていますが、十分に呼吸ができているでしょうか?
今回はそんな呼吸について焦点を当てていきたいと思います。
- 呼吸のメカニズム
- ピラティスで用いられる呼吸法
- 呼吸を使った体幹トレーニング
- まとめ
呼吸のメカニズム
私たち人間が自然と呼吸ができるのは肺が、膨らみガス交換を行なっているからです。
しかし、肺は勝手に膨らんでいるわけでなく、横隔膜によって膨らんでいるのです。
横隔膜は名前に膜がついていますが、正式には骨格筋になります。骨格筋というのは自分の意思で動かすことができるため、内臓のような平滑筋という自律神経のみでコントロールされているものではありません。
○ 横隔膜
起始:大きいため3部位からなる。下記参照。
胸骨部→剣状突起背側からの2つの厚束筋肉片
肋骨部→腹横筋と交互に咬合しながら、第6肋軟骨下方の内側面と第6肋骨下方の両側
腰椎部→上部腰椎椎体から2つの筋脚と両側の線維弓による
停止:腱中心の中へ
働き:収縮することで、胸腔の容量を増大させる。(肺を膨らませる)
神経:横隔神経、C3、C4、C5


このような横隔膜の上下運動が呼吸の主役となっています。
息を吸う際には横隔膜の収縮(下降)が行われ、横隔膜以外のインナーユニットと呼ばれる腹横筋・骨盤底筋群は伸ばされていきます。吐く際には、伸ばされた腹横筋や骨盤底筋群が収縮することにより横隔膜を押し上げ、呼吸のサイクルが出来上がるのです。
ここで問題となるのが、不良姿勢です。
姿勢が悪くなっている場合、これらのインナーユニットと呼ばれる筋群の形が変わってしまいます。中でも多く見られrるのがリブフレアと言って肋骨が前方に突き出し、開くような形になっている姿勢です。このような姿勢を呈していると、横隔膜が本来の位置になく、スタート地点から横隔膜が下に下がっている状態になってしまいます。
横隔膜の上下運動が浅くなれば当然、肺の膨らみも少なくなるため呼吸が上手くいきません。
人間にとって酸素はなくてはならないもですので、なんとかして酸素を確保しようとします。そこで、肩をすくめるような呼吸をすることで横隔膜の動きをサポートするのです。必要以上に肩をすくめるため、首の筋肉は緊張し肩こりにつながります。
そのため、正しい呼吸ができるようになるというのは、肩こりに対しても効果的なのです。
ピラティスで用いられる呼吸
ピラティスでは主に胸式呼吸が用いられます。ヨガでは腹式呼吸を推奨されていますが、どちらが正しい優れているという問題ではありません。
胸式呼吸では、肋骨や背骨を伸展(伸ばす)ことにより交感神経を優位にします。つまり、体に活動するためのスイッチを入れることで、身体活動を行いやすくするのです。対して、腹式呼吸では、副交感神経を優位にするため、リラックス効果を感じることができます。
そのため、ピラティスでは体幹強化や身体をコントロールすることが目的になるため、胸式呼吸により交感神経を優位にすることが必要なのです。
しかし、体の状態によっては過緊張になり、交感神経のスイッチが常にONになっている方もいらっしゃいます。そのような方は、胸式呼吸ではなく、腹式呼吸で行うことで体の余分な緊張を取りエクササイズに集中できるようになるのです。そこはインストラクターが体の状態を把握した上で、呼吸の指示を出しますのでご安心ください。

呼吸を使った体幹トレーニング
では、呼吸を用いた体幹強化を行なっていきましょう。
まず、横隔膜を十分に膨らませる必要がありますが、呼吸の際に肋骨を正しく動かせているかが重要になります。そのため、空気を入れたい場所を意識することで肋骨の動きを感じてみましょう。(選択的呼吸)
● 肋骨拡張&収縮トレーニング
姿勢:仰向けor座る
やり方
- 肋骨の下側に手を巻き付けるように置く
- 置いた手の位置を膨らませるように息を吸う
- 肋骨がおへそに向かって閉じていくように息を吐く
- 動きが感じられるまで繰り返します
ポイント
- 肩がなるべく上がらないようにする
- 腰が反らないように気を付ける

まとめ
当たり前のように行える呼吸ですが、正しい呼吸ができていなければ、肩こりや腰痛などの不調につながります。呼吸を整えることで自律神経のバランスを整え、さらに体幹が強化されるため、あらためてご自身の呼吸はどうか確かめてみましょう。
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