
ピラティススタジオTRY 代表の荒井です!
股関節周囲にはお尻にある大きな大殿筋や、前ももある大腿四頭筋などが力強く、そして目立ちますよね。
しかし、これらの筋肉がスムーズに使われるのも股関節のインナーマッスルである『深層外旋六筋』が活躍しているからなのです!
今回はその深層外旋六筋について詳しく見ていきましょう!
- 深層外旋六筋の基礎解剖
- 現代の生活で弱くなる深層外旋六筋
- 深層外旋六筋活性化エクササイズ
- まとめ
深層外旋六筋の基礎解剖
深層外旋六筋は股関節のインナーマッスルであり、名前の通り6つの筋肉で構成されています。共通しているのは股関節を外旋するということですが、詳しく見ていきましょう。
○ 梨状筋
起始:第1〜4仙椎の前仙骨孔の間の骨盤面、大坐骨孔、仙結節靭帯
停止:大腿骨大転子の上縁
働き:股関節の外旋。股関節の外転の補助。
神経:仙骨神経叢、L5、S1、S2
○ 大腿方形筋
起始:坐骨結節の外側縁の近位部
停止:転子間稜の遠位に伸びる方形筋線の近位部
働き:股関節の外旋
神経:仙骨神経叢、L4、L5、S1、S2
○ 内閉鎖筋
起始:閉鎖膜の内面と骨盤面、閉鎖孔の縁、坐骨から後部近位の骨盤面、少し伸びて閉鎖筋膜となる
停止:転子窩の近位の大腿骨大転子の内側面
働き:股関節の外旋。股関節の外転の補助。
神経:仙骨神経叢、L5、S1、S2
○ 外閉鎖筋
起始:恥骨枝、坐骨枝、閉鎖膜の外面
停止:大腿骨の転子窩
働き:股関節の外旋
神経:閉鎖神経、L3、L4
○ 上双子筋
起始:坐骨棘の外面
停止:内閉鎖筋腱と一緒に大腿骨大転子の内面につく。
働き:股関節の外旋。股関節の外転の補助。
神経:仙骨神経叢、L5、S1、S2
○ 下双子筋
起始:坐骨結節の近位部
停止:内閉鎖筋腱と一緒に大腿骨大転子の内面につく。
働き:股関節の外旋。股関節の外転の補助。
神経:仙骨神経叢、L5、S1、S2

このようになっています。
大腿骨の関節部分である、大腿骨頭は球関節であり大きなボールの関節となっています。この大腿骨頭を後ろ側から鷲掴みするようにこの筋肉が取り囲んでいるのです。
現代の生活で弱くなる深層外旋六筋
では、これらの筋肉はなぜ弱くなってしまうのでしょうか?
まず前提として深層外旋六筋はインナーマッスルです。そのため、関節を大きく動かすわけではなく、関節がスムーズに動くための安定性や、骨頭を骨盤側にある関節窩に対して押し付けるような働きをしています。
股関節は大きな骨頭を包み込むように関節唇という軟骨や、体の中でも最も強い言われている靭帯があるため本来非常に強い関節といえます。
しかし、関節包内運動という、関節の中を細かく動かすのはこれらの筋肉が機能しなくてはならないのです。

現代生活では、座っている時間の長さや、体幹の安定性の欠如から骨盤を前方にスライドさせているスウェイバック姿勢の方を多く見かけます。
そのような状態になると、股関節を安定させることを強力な靭帯に任せてしまい、深層外旋六筋を使わなくなってしまうのです。使わなくなれば当然、使いたい時に使うことができなくなります。
結果として、腰痛や坐骨神経痛などの引き金になってしまうのです。
深層外旋六筋活性化エクササイズ
それでは、深層外旋六筋の活性化エクササイズをしていきましょう。
● 深層外旋六筋エクササイズ
姿勢:横向き
やり方:
- 横向きに寝た状態で膝・股関節を軽く曲げた状態にする。
- 足部はつけたまま膝同士が離れるように開く。
- ゆっくりと閉じていく。
- 数回繰り返す。
- 股関節の角度を「45°」「90°」でも同様に行う。
ポイント:
- 複数の筋肉を使うために股関節の角度を変えて行う。
- 開く足以外は固定しておく。
- 頭から骨盤までは一直線にする。

まとめ
股関節を良い状態に保つことは、姿勢や不調などの予防・改善になるだけではなく、認知機能などにも影響することがわかってきました。鍛えやすい大きい筋肉ばかりを意識するのではなく、関節を安定させるための筋肉にも目を向けることが大切です。
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