
ピラティススタジオTRY 代表の荒井です!
肩関節は他の関節と違い、複合関節と呼ばれ3つの解剖学的関節と、3つの機能的関節が組み合わさりさまざまな動きを可能にしています。普段何気なく、万歳をしたり、洗濯物を干せているのもこれらの関節が円滑に動いているからなのです。
今回はこの肩関節にスポットを当てていきましょう。
- 肩関節の基礎解剖
- 肩関節の連動した動きとは?
- 肩関節のためのエクササイズ
- まとめ
肩関節の基礎解剖
肩関節は上記にある通り、3つの解剖学的関節と3つの機能的関節による6つの関節の複合関節です。
解剖学的関節には肩甲上腕関節・胸鎖関節・肩鎖関節があり、機能的関節には肩甲胸郭関節・第2肩関節・C-Cメカニズムがありこれらをみていきましょう。
○ 肩甲上腕関節
- 肩甲骨と上腕骨からなり、肩関節というと最もイメージがしやすい関節である。
- 上腕骨頭は関節窩に対して3倍も大きいため、可動性が高い関節と言える。
○ 胸鎖関節
- 胸骨と鎖骨からなり、鎖骨の運動中心となる関節である。
- 鎖骨はあまり動かないように思われるが、上下・前後・回旋などさまざまな方向への可動性を持つ。
○ 肩鎖関節
- 肩甲骨と鎖骨からなり、肩甲骨の運動中心となる関節である。
- 胸鎖関節同様に上下・前後・回旋方向に可動性を持つ。

○ 肩甲胸郭関節
- 肩甲骨と胸郭からなり、肩甲上腕関節の支点となる。
- 肩甲骨に付着部位を持つ筋肉の収縮効率を高める。
○ 第2肩関節
- 烏口肩峰と上腕骨頭により形成される。
- 肩甲上腕関節の機能を引き上げる、肩関節の回旋筋鍵板を押さえつける役割を持つ。
○ C-Cメカニズム
- 烏口鎖骨靭帯により、肩鎖関節と胸鎖関節の動きを調整する。
- 鎖骨外側の浮き上がり防止、肩甲骨の懸垂作用も持っている。

それぞれの関節にはこのような役割があり、連動して働くことで1つの肩関節としてスムーズな動きを可能にしているのです。大きな違いとしては、解剖学的関節は他の関節と同様に関節包を持ち、機能的関節には関節包がないということです。
肩関節の連動した動きとは?
上記の解剖学的関節と機能的関節が連動して動くシステムを肩甲上腕リズムと呼びます。これは、肩甲骨と上腕骨の動きの比率のことで、肩関節が外転する際に30°以上から、屈曲では60°以上から上腕骨が2°上がると、肩甲骨が1°上がるというものです。
このシステムのおかげで腕を頭の上まで上げることが可能となっているのです。(胸椎の伸展も入ります)
そのため、普段肩関節を十分に動かすような動作が少なければ、どこかの関節運動が機能低下を起こしてしまい、肩関節複合体としての機能を破綻させてしまいます。最終的には四十肩・五十肩と言った慢性的な疾患から、肩関節に軟部組織が挟まれしまうインピンジメント症候群などに移行してしまうのです。

これらの問題の多くは、肩甲胸郭関節の機能不全に多くみられ、現代の腕を肩の高さ以上に上げないこと、地面に手をついて床拭きなどをしなくなったからではないかと思っています。
日常生活でそのような動作がなければエクササイズやスポーツを通して使うしかありません。使わなければ弱くなる代表的関節でもあるため、十分なケアが必要です。
肩関節のためのエクササイズ
それでは肩関節の機能向上のためのエクササイズをしていきましょう。肩関節は複合関節のため、今回は肩甲胸郭関節のためのエクササイズをお伝えします。
● 肩甲胸郭関節機能改善エクササイズ
姿勢:座位
やり方:
- 座った状態でお尻から頭までを一直線にする。
- ハンガーを頭の後ろで立てた状態で持つ。
- そのまま背中の面を滑らせるように頭上まで上げる。
- 元に戻すように頭の後ろにもっていく。
- 繰り返す。
ポイント
- 肋骨が出ないように注意する。
- 肘はまっすぐ横よりはやや前に傾けてOK。

まとめ
肩関節がこのように複数の関節が組み合わさってできているというのは想像もしたことなかったのではと思います。しかし、肩関節の疾患で悩んでおられる方は多く、増加傾向にあるのも事実です。このように複数の関節が組み合わさっているからこそ、1つ1つの動きを大切にしていきたいですね。
ピラティススタジオTRYでは、お身体の状態を見極めて最適なエクササイズをご提供していきます。肩周囲の不調などもお気軽にご相談ください!
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