
ピラティススタジオTRY 代表の荒井です!
あなたは『骨盤大腿リズム』というものをご存知でしょうか?
これは股関節の曲げる角度によって、骨盤が自然と倒れてくる現象です。
では、どこまでが股関節の動きで、どこからが骨盤の動きになるのでしょうか?
今回はその動きにフォーカスして見ていきましょう!
- 股関節の基礎解剖
- 骨盤大腿リズムとは?
- 股関節機能改善エクササイズ
- まとめ
股関節の基礎解剖
それでは、大腿骨盤リズムに入る前に股関節の構造から見ていきましょう。
股関節はももの骨である大腿骨と骨盤の両側にある寛骨から構成される関節です。
大腿骨にはボール状の大きな大腿骨頭があり、寛骨には深い受け皿の寛骨臼があります。
寛骨は腸骨・坐骨・恥骨の3つの骨が成長とともに癒合した骨であり、寛骨臼はその3つのつなぎ目にあるのです。
この寛骨臼はまっすぐ真横にあるのではなく、関節面が前方に約20°・下方に約45°傾斜して外側についているのです。この傾斜は後でご紹介する骨盤大腿リズムにも大きく関係してくるので覚えておきたいですね。

大腿骨頭は非常に大きく、受け皿も深いのですがこれを補うように関節唇というもので補強され、さらにその上には身体の中で最も強靭と言われている腸骨大腿靱帯、坐骨大腿靱帯、恥骨大腿靱帯がついています。

その上には腸腰筋や大腿四頭筋、大殿筋などの強力な筋肉があり股関節は構成されているのです。
そして、股関節の動きは球状関節のため、ぐるぐる回るような動きが可能となっていますが、これは
屈曲・伸展・内転・外転・内旋・外旋という3つの軸の動きが合わさった動きとなっています。
骨盤大腿リズムとは?
それでは、骨盤大腿リズムはどのようなものなのでしょうか?
まず、一般的な解剖書にある股関節の屈曲は125°(膝伸展時は90°)となっています。
しかし、他の文献によれば股関節のみで行われる純粋な屈曲角度は70°となっており、およそ93°までは軟部組織の影響、133°までは骨盤後傾や腰椎屈曲により可能となっていると言われているのです。これはあくまで、最大可動域に対する骨盤の動きであり、股関節屈曲の初動から実は骨盤の後傾が行われているのです。

この骨盤大腿リズムが重要な理由としては、股関節自体の動きがスムーズに行われないことで、過剰に骨盤や腰椎が動いていしまうということです。
歩行時に腰が痛い、座っていると腰が痛いという方はもしかすると、この骨盤大腿リズムが異常をきたしているかもしれません。
骨盤大腿リズムとは反対ですが、股関節が伸展している際に大腿直筋や腸腰筋の短縮により骨盤が前傾してしまうケースも見受けられます。こちらも上記と同様に骨盤・腰部に問題をきたしてしまうため要注意です。
股関節機能改善エクササイズ
それでは、骨盤大腿リズムを改善するために股関節屈曲の可動域を改善していきましょう。
● 股関節機能改善エクササイズ
姿勢:仰向け
やり方:
- 仰向けで膝を立て、足の幅は拳ひとつ分を開けて寝る。
- 膝の下にボールを挟む。
- 吐いた際に、大腿骨が垂直になるように股関節を曲げる。
- そのまま吸って、吐きながら股関節を元に戻す。
- 繰り返し行う。
ポイント
- ボールを挟むことで大腿四頭筋の作用を抑制する。
- 動かす脚以外は動かさない。
- 首を伸ばし可能な範囲で良い姿勢を取る。

まとめ
このように股関節を曲げるという単純な動作であっても、体の中ではさまざまな骨が連動して動きているのです。関節運動を円滑にすることでこれらの自然に起こる連鎖反応を適切にしていくことは重要なのではないかと思います。
ピラティスでは、ただ筋肉を伸ばす、骨の位置を整えるだけでなく、このような体の自然なメカニズムを引き出すことに非常に優れています。何かしら股関節・骨盤周囲の問題がある方はこの動きを意識してみるのも良いかもしれませんね。
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