
ピラティススタジオTRY 代表の荒井です!
深層外旋六筋の一つである内閉鎖筋ですが、ただの外旋筋ではななくマルチな働きを持つ筋肉となっており骨盤底筋や骨盤の安定化にとって重要な筋肉となります。今回はこの筋肉単独にフォーカスして見ていきましょう。
- 内閉鎖筋の基礎解剖
- 内閉鎖筋のマルチな活動
- 内閉鎖筋のエクササイズ
- まとめ
内閉鎖筋の基礎解剖
それでは深層外旋六筋の一つである内閉鎖筋の付着部位や働きを見ていきましょう。
◯ 内閉鎖筋
起始:閉鎖膜の内面と骨盤面、閉鎖孔の縁、坐骨の閉鎖孔から後部近位の骨盤面、少し伸びて閉鎖筋膜となる。
停止:転子窩の近位の大腿骨大転子の内側面
働き:股関節の外旋、股関節屈曲位での外転補助。
神経:仙骨神経叢、L5、S1、S2

となっています。
そのため、解剖学上では深層外旋六筋として股関節外旋のユニットの一部として働くものとみなされています。
内閉鎖筋のマルチな活動
では、内閉鎖筋がマルチな働きを持つという点を見ていきましょう。
まず、注目すべきはこの筋肉は骨盤底筋群の一部でもあり、その支持基盤として体幹の安定に大きな役割を果たしているという点です。内閉鎖筋の構造を見ると、坐骨の上方に位置する閉鎖孔を覆い隙間の一部をカバーしているという理由がひとつ。さらにうこの部分が腸骨尾骨筋と筋膜で連結することで、骨盤の働きをコントロールしている。そのため、土台としての重要な働きを担っていると言える。


また、内閉鎖筋は仙腸関節の安定化にも関わることがわかってきています。
仙腸関節は今まで”動く””動かない”という論争がありましたが、近年の報告によれば前後に2°程傾き、体幹のバランスに大きく寛容するという結果になりました。
ここで連携して働いているのが、骨盤を前後からつなぐ腸骨尾骨筋・恥骨尾骨筋・内閉鎖筋で、緩んで前傾した仙骨を下から引っ張り、仙骨をニュートラルな中間位に安定させます。
骨盤底筋群が弱りやすい女性に反り腰が多いのも、この働きが低下しているのが理由の一つであります。これは腰痛の原因ともなるため、仙腸関節のニュートラルポジションが重要な男性にとっても大切なことです。
これらの働きを最大限高めるためには外側のアウターマッスルである中殿筋や大殿筋などを緩めた上でエクササイズを行うことが重要と言えます。
内閉鎖筋のエクササイズ
それでは、内閉鎖筋のエクササイズをしていきましょう。
● 内閉鎖筋のエクササイズ
姿勢:立位
やり方:
- 立位の状態で対象側の脚を伸ばした状態で前に出す。
- 足関節90°でつま先を上げ、片手で大転子の皮膚を摘む。
- 足先を左右にゆっくりと動かしていく。
- 10往復ほど繰り返し、反対側も行う。
ポイント
- 足先を動かすというよりは脚の軸を捻るようにする。
- 足首を90°に保つことで、動きがぶれないようにする。
- お尻の筋肉が使われていることを意識する。

まとめ
内閉鎖筋は深層外旋六筋のユニットとして、股関節外旋のインナーマッスルの側面を持ちますが、同時に骨盤底筋群としての働きがあるというのは驚きですね。このような筋肉が大殿筋などの股関節を強力に動かすための筋肉を支持しているため、地味なエクササイズにはなりますがこれらの動きが根本の部分として大切になるのです。
ピラティススタジオTRYでは、マシンピラティスを通じて産後のケアや腰痛などに対して細かい筋肉までアプローチしていきます。派手な動きやエクササイズに囚われがちですが、地道な努力こそが実は近道なのです。
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