ピラティススタジオ TRY　代表の荒井です！
前回は姿勢を改善するために必要な筋肉についてご紹介してきましたが、今回は【筋膜】についてご紹介します。

筋膜という言葉自体は、以前流行した「筋膜リリース」という言葉で、なんとなく聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか？　ただ言葉だけでよくわかならないなんて方もいらっしゃると思いますので、基本のところから始めていきましょう！

まず、筋膜とは何かという点からご説明していきます。

実は筋膜といっても、筋肉１つを構成する上で
細かい線維である筋原線維を束ねている筋内膜
筋内膜を束ねている筋周膜
筋周膜や血管を束ねている筋外膜
がまず存在します。

そして、この筋肉が骨を介して全身につながり身体の全体像となっていきます。
この全体を包み込むように存在しているのが深筋膜や浅筋膜というものなのです。

そのため、ひとえに「筋膜リリース」といってもどの筋膜に対してアプローチしていくのかで大きく意味合いが変わってくるのです。

一般的な筋膜リリースと言われるものは、深筋膜や浅筋膜を狙って行うケースがほとんどでしょう。

前項では、筋膜の構造についてご紹介してきました。

そこで、深筋膜や浅筋膜といった組織は筋単一を包んでいるのではなく、全身をおおうボディスーツのような状態になっているということを理解していただけていたら幸いです。

このボディスーツのような筋膜は繋がり方によって「フロントライン」や「バックライン」、「ラテラルライン」などといった規則的な流れが存在しているのです。

姿勢との関わりも深い「バックライン」を例にみると、このバックラインは足の裏側指先から背中を通って、最終的には眉間までを走行している非常に長い、筋膜ラインになります。

このバックラインの一部が硬くなっている場合、その他の部位が引っ張られてしまい硬くなるといったケースがあります。
（試しにおでこや足の裏をぐりぐりしてみてください。前屈（床を触れる）動作の柔軟性が上がります。）

そのため、筋肉単一で考えるだけではなく、その他の部位に引っ張れらている可能性などを考えなくてはいけないのです。

筋膜に対してのアプローチが必要なことを理解していただいたところで、今度はアプローチに対してのお話です。

筋膜に対しては、一般的な筋膜ローラーやストレッチポールなどを用いたリリースも効果的ですし、筋膜同士の滑走性を促すような筋肉のストレッチなどが効果的です。

ピラティスの場合は、他の人に伸ばしてもらうような受け身のストレッチはなく、コアを安定させた状態でターゲットとなる部位を伸ばすアクティブなストレッチがほとんどになります。

このアクティブストレッチにより、筋膜間の滑走性を促し、筋肉の伸長性や適度な張力を作り出すことができるのです。

ピラティスではこのような筋膜に対してのアプローチも多く存在しているため、エクササイズしたいでは筋肉・筋膜両者に対して働きかけることができるのです。

前回の記事であったような筋肉に対してのアプローチはもちろん大切なのですが、筋膜のつながりを考えていかなければ持続的な効果を得ることはできません。

そのため、筋膜も正しい状態にすることでより姿勢改善の効果を上げることができるのです。