
ピラティススタジオTRY 代表の荒井です!
腰痛・臀部痛で病院を受診すると
「坐骨神経痛」と診断され、痛み止めをもらったという方もいらっしゃるかと思います。
ただ、痛み止めも効かず改善していく兆しもない・・・。
その原因には梨状筋が関係しているかもしれません。
- 梨状筋の基礎解剖
- 坐骨神経痛と梨状筋の関係
- 梨状筋のストレッチ
- まとめ
梨状筋の基礎解剖
以前に「股関節の大事なインナーマッスル」という名目で、深層外旋六筋についてご紹介していきました。今回はその中の1つである梨状筋についてご紹介していきます。復習も兼ねて見ていきましょう。
◯ 梨状筋
起始:第1〜4仙椎の前仙骨孔の間の骨盤面、大坐骨孔、仙結節靭帯
停止;大腿骨大転子の上縁
働き:股関節の外旋。股関節の外転の補助。
神経:仙骨神経叢、L5、S1、S2

このようになっています。
他の深層外旋六筋との大きな違いとしては、股関節の角度に応じて働きに逆転現象が起こるという点です。
梨状筋は、本来解剖学的姿勢においては股関節の外旋に働きます。しかし、股関節の屈曲角度が60〜90°の際には内旋に働くという調査があります。つまり、座っている状態であれば、梨状筋だけが深層外旋六筋の中で内旋方向に働くということです。
現代人の多くは座っている時間が長く、日本人においては世界一長いと言われています。長時間座っている姿勢を考えると、多くの方は骨盤を後方に傾斜させ、膝を開いた股関節外旋位で固定されていると言えます。そうなるとこの梨状筋は伸ばされた状態になり、機能低下を起こしていると考えられます。
坐骨神経痛と梨状筋の関係
それでは、この梨状筋が坐骨神経痛と関わっている理由になります。
坐骨神経は第4腰椎〜第3仙骨から出た神経が吻合して作られ、大坐骨孔を通過し梨状筋の下を走行しています。
また、坐骨神経は総脛骨神経と総腓骨神経を総称したものであり、実際にはくっついている訳ではなく、同じ道を一緒に通っているだけなのです。
そして、梨状筋が牽引されることで、総脛骨神経と総腓骨神経の両者もしくは、どちらかが圧迫され下肢のポジションによって坐骨神経痛を引き起こしてしまいます。これを梨状筋症候群と呼び、膝関節までの痛みに関してはこの疾患になっているケースを多く見ます。
坐骨神経は個体差によっては梨状筋の中を貫通しているケースがあり、総脛骨神経と総腓骨神経の両者が通る、またはどちらかが通るパターンとがあります。文献によれば、梨状筋の下を総脛骨神経と総腓骨神経が通過するケースが90%となっていますが、残りの10%は5パターンあり貫通しているのです。これらの背景を踏まえると、現代生活における姿勢の問題と、先天的な神経のルートの問題から梨状筋症候群は坐骨神経症状の中でも多くの割合を占めているのではないかと思います。

梨状筋のストレッチ
それでは、梨状筋をストレッチして坐骨神経を解放できるようにしていきましょう。
◯ 梨状筋ストレッチ
姿勢:半座位
やり方:
- 伸ばしたい側の足をあぐらのような状態でイス・台に乗せる。
- 体幹部を正面に向けて背筋を伸ばした状態から、前屈していく。
- 元に戻していく。
- 繰り返す
ポイント:
- 骨盤を正面に向け傾かないようにする。
- 横から見た時に骨盤から頭までは一直線にする。
- 乗せている側の足を身体と平行にする。
- 頭の方から順に丸める意識で行う。

まとめ
深層外旋六筋という括りの中はありますが、この筋肉は少し違う働きを持っているのです。骨構造しか映す事ができないレントゲンでは、梨状筋症候群という診断名がつかないケースがほとんどですが臨床的にはこの疾患はかなりの割合を占めているのではないかと考えられます。
同じ症状であっても誘発している原因が違えば、アプローチも変わっていきます。ピラティススタジオTRYでは、ピラティススタジオでありながら現役整体師による検査も行なっていきますので、早期の改善に繋がりやすいの特徴です。坐骨神経痛でお悩みの方はせひ、ご相談ください!
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